望郷の想い

夕焼~け小焼けぇの赤とんぼ~、
負われ~て見たのぉはぁ、いつのぉ日ぃか~。

ある年配の方が、コラムを書いてお消除眼袋られた。
年齢が高くなると、思い出すのは幼少期、故郷のこと。
たわわな稲穂の実る田園風景やら、美しい自然の田舎の写真を撮り、幼少時代を思い出していた記事だった。

その中に紹介されていた「赤とんぼ」、この歌詞、なぜかぐっと来た。
5歳の子供が母親を恋しがる心情は、想像しただけで涙が頬をつたう。

(「15でネエヤが嫁に行き、お里のたよりも絶えはてた」、というところに、
じつは作者の深い思いが隠されているのだが。)

作詞者は、5歳の時に、両親が離婚し、母親と生き別れている。
明治時代に幼い5歳の子どもを残して離婚だなんて、いったいどういう理由なのだろうと興味を抱いた。

作詞者である、三木露風(1889年、明治22年生まれ)は、父親が放蕩したため、
母親を実家に帰され、父方の祖父が引き取って育てたらしい。
慶應義塾大学まで出しているので、裕福な家であり、祖父も教育には熱心だったのだろう。

しかしながら、いかにも昔實德好唔好らしいエピソードである。
そもそも、母親は鳥取の家老の出自で、たいそう教養も深く素晴らしい人材だったのを見込み、
「ぜひ息子の嫁に」と祖父が強く結婚を望んだようだ。
が、息子は放蕩、二人の男の子(孫)をもうけたあとも、さらに放蕩を続けたため、
長男(一人目の孫)である三木露風を残して、次男(二人目の孫)を連れて嫁の実家に帰らせたなんて、
親の名目まるつぶれ、及び、慰謝料は払えなくてもしかなたいとしても、養育責任は?
そもそも母親は、実家に帰りたくない思いなのに、まだ幼児の上の子を置いて、泣く泣く下の子を連れて帰らされたわけで、不条理で、かわいそ過ぎる。

放蕩している息子の代わりに祖父である自分が孫を育てたのはわかるが、
嫁の実家に連れ帰った次男の養育費はどうしたのだろう?
実家も名家だったようなので、倒れ朽ち果てはしなかったとは思うが。

この母親は、後には地元の地で女性運動家になったようだ。
さすがに、アタマの良い人は、泣き寝入りするだけではなく、転んでも心強い。

わたしの身近なところにも、こういう話は事郵輪假期実話として、よく聞く。

一度の結婚に敗れても、子供を持っても、そして、人生の荒波に放り込まれても、
アタマのしっかりしている女性は、呑み込まれることなく、逞しく生きていっている。
貧乏をしてみすぼらしい身なりをしていた時期もあり、
中には、それを気の毒がったり、ばかにしたりする人もいたようだが、
貧しいことを下目にみるというところに、人間を見る尺度、価値観があるのか、と、わたしは驚く。
やはり、明治は、まだまだ貧しい時代だったのだ。

いまでこそ、社会のセイフティネットが整備されているが、その網から、もれる人もいる。
悪用する人もいる。
昔は、ほとんどの人が貧しかったようで、貧富の差が大きかった。
そして、家の格差も大きかった。

「金持ち=エエシの子」という構図だった。
金持ちだけが、エエシであるとは言い切れないと思うけれど。
成金は、品がない。
かといって、エエシでも、落ちぶれると、貧乏になる。
アップダウン、長く続いた封建時代の江戸時代から、大きく社会が開放された明治時代へと移り、
社会の層の入れ替わりを見る。

明治は遠くになりにけり。
高度成長期の時代でさえ、遠い気がする。
日本が、がんがん上昇していった時期に底力で活躍し、日本を引っ張っていった人々は、今は、おじいさん、おばあさん。
老人になっている。

人の運命や、家の興隆、衰退は、スパンが短いと、その場その場で振り回され、時代に翻弄され、おぼろげだったり、不確定だったりするのだが、
長い時間を経て定点観察すると、明確にはっきり見える。

太い幹の木は強い。
植えて間もない木や、急成長した木は、目を見張らんばかりの旺盛ぶりであっても、やがて時代が過ぎ去った後も静かに続いていくかというと、そんなことはない。
ひとつの時代が終わるのだ。
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