書道家の生

テレビで
102歳のお婆さんが墨で絵を描いていた
所謂「前衛書道」
ってやつなのだろうなと思って見てた
前衛書道

かつて自分の書道の先生は言っていた
色んな形があるけど
そういうのは前衛書道というのだと、住み分けをされているようだった

そんなことを思い出したのは日中散歩にでかけていて、家の前を通りかかったので様子を伺うと既に住んでいるような家ではなくなっていたからだ
雨戸が全て閉め切られて
引っ越した後のような風だった
書道教室の看板は昔のまま掛かっている
その堂々たる姿と、空き家になっているであろう家の雰囲気がマッチしていなくて、恐ろしいものでも見たような気持ちになってしまった
先生はお元気なんだろうか
それとももう亡くなってしまったのだろうか
塀越しに姿だけでも確認できれば良かったのだけれど
誰もいなかった

前衛書道の102歳は異端扱いをされてはアメリカに渡ってその表現を認められ
逆輸入形式で今では青山のマンションの一室で絵を描き続けている

自分にはあまり理解出来なかった
前衛書道も
デジタルアートも
ファインアートも
正直良さがわからない

きっと名のある店やお寺で見たなら
あぁ趣のある作品ですねと言うかも知れない
でも理解しているわけじゃなく
雰囲気に飲まれ、口をついて出た言葉に過ぎない

習字の先生はお元気なんだろうか

彼女の書は本当に美しくて
教科書を否定したくなるような
凄味をもっていた
だけど、まだ理解のできる次元にいた

小四でそこに入り
たいへん可愛がってもらった
食事を取らせてもらったり
くつろぎを与えてくれた
どうやら自分の集中力の無さも
お見通しだったようだ
自家製パンで作るフレンチトーストが
おいしくて
再放送のガンバの冒険とかを見てた気がする

習字と言えばそんな思い出だ

102歳でなお、時代を物語るような作品を産み出す人がいる

先生にも元気でいて欲しい
またあの美しい字を見せて欲しい
威哥王
ru486