ぼーっと昔を思い出す

頑張れば認められると

必死でやりさえすれば物事は好転すると

ただ単純に、純粋に信じていた頃があった。

まだ社会に出たての若僧で会社という組織も一人で生きていくという辛さも知らなかった。

言われたことをしっかりこなし

毎日頑張っているつもりだった。

大人になってから人前で涙を流したことは二回ある。

一度目は大学を出てすぐの頃

学生の時バイトしていてパチスロ店にそのままフリーターとして居ついていた時。

不人気店舗だから、たちの悪い客が我が物顔で、やりたい放題やっていたんだけど

それを注意しろと指導されていた。

正直すごく怖かったけど

ルールを守っていただけませんかと

何度もお願いした。

注意するのが俺だけだったから

必然的に口うるさい目障りなスタッフとして

お客さんには嫌われた。

上司もかばってはくれなかったし

お客さんには目の敵にされるしで

かなり追い込まれていたと思う。

ある時大きなスタッフ同士の揉め事があり

緊張の糸が切れたのか

何もしなくても、無表情のままで

すーっと涙がこぼれ始めた。

感情を高ぶらせるとか

泣きわめくとか

そういうこともなく

ただ静かに、頬を伝って止めどなく涙は流れ落ちた。

その日、そこを退職することにした。

数年後、大手の警備会社の営業職についた。

厳しいと評判のボスがいる支店に配属され

毎日毎日プレッシャーをかけられ続けた。

デスクの前で三時間立たされて人間性を否定され続けたこともあった。

頑張ろうとして動けば、それは違うと言われ

動かなければ何をやっているのだとどやされ

何も分からない新入社員はただただうろたえ、怯え疲弊していた。

もうこの人にはついていけない。

ある時それをそのボスの前で打ち明けたとき堰を切ったように涙が溢れだした。

回りには先輩や後輩がいたけど

子供のようにしゃくりあげて泣いた。

良い大人がすることではないと

泣きながら思わなくはなかったけど

それでも全然止まらなかった。
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