誓い

一目会ったその日から、恋が始まったわけじゃない

ほんの些細な出来事が、二人の距離を縮めていった

しばらくすると目の端で、君を探す僕がいた

笑顔が見たくて、声が聴きたくて
何度も笑わせては少しずつ近づいた

普段は仏頂面の君を笑わせると、誰も知らない可愛い笑顔が現れる

それはきっと、僕にしか見せない笑顔
優しそうな瞳であどけなく笑う

それだけで良かったのに
僕は君の全てが愛おしかっただけなのに

いつからか自分の物にしたいと思うようになってしまった

その瞬間から、結果は決まっていた
決して自分の物にはならないと分かっていたから

お互いがお互いを好きでいることが
こんなにも辛く切なくなってしまう

逢うことが我慢になってしまう
お互いの気持ちを抑えることが辛くなってしまう

どうして止められなかったのか、自分を責めてみても、時間は戻らない

残ったのは、もう二度と縮まらない距離だけ
あの笑顔を手に入れることはできない

欲張りで我儘な自分を責めて、もう二度と恋などしないと何度誓っただろう

そしてまた誓う
もう二度と恋などしない

壮三天
蟻王