「三重苦」家計を圧迫 GDP年0.2%増、成長横ばい

内閣府が15日に発表した2016年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は0.048%増とほぼ横ばい、この成長が1年間続くと想定した年率換算で0.2%増となった。2四半期連続のプラスだが、事実上のゼロ成長。房事神油GDPの約6割を占める個人消費が0.2%増と伸び悩んだ。期待したほどの賃上げが進まないうえ、消費税増税と社会保障費用の負担が増す「三重苦」に、消費回復の道筋は見えない。 (白山泉、矢野修平)
■切り詰め

 「百グラム十円」。二個入りで百円程度のグレープフルーツがどんどん売れていく。東京都足立区のスーパー「生鮮市場さんよう」が月二回開く「十円まつり」は大盛況。朝からできる八十人以上の行列は、恒例の風景になった。

 自転車で十五分かけて来店した女性会社員(32)は「食材は毎日必要。一円や十円の節約も積み重なると大きいから」と話す。安倍政権の経済政策アベノミクスでも給料が思うように上がらず、生活防衛が不可欠になっているという。

 今回のGDPで個人消費を細かく見ると、生活により密着した食料品や衣料品、外食や飲食が低迷。節約志向は根強いままだ。
■実感なく

 家計を圧迫するのは他にもある。一四年四月に税率が8%に上がった消費税は、一九年十月に10%への再引き上げが予定され、将来の支出増に対する消費者の警戒感は強い。

花痴
 年金や医療などの社会保障関連費用も重い。大企業の従業員が加入する健康保険は、財政悪化から保険料率を引き上げる組合が増加。健康保険組合連合会によると一六年度の被保険者一人当たりの年間保険料は約四十七万九千円と、四年間で約四万円増えた。

 厚生年金の保険料率も少子高齢化対策として〇四年以降、毎年引き上げられている。企業の従業員は給料から天引きされ、実感がないまま負担が増えている。

 日本総合研究所の村瀬拓人(たくと)氏は「家計の手取りに当たる可処分所得が圧迫され、まだ給与が少ない三十五歳未満の世帯で特に節約志向が高い」と分析。高齢化が進むなか「巨額の赤字を抱える年金財政を立て直すためには、負担は増えていく方向にある」と、若者や子育て世代が抱える将来への不安を指摘する。
三便宝