『15歳からの労働組合入門』

東海林智著『15歳からの労働組合入門』読了。

『貧困の現場』の著者が、
昨年11月に出した本です。

労働組合でつながりあえば、
人を使い捨てにする日本の雇用状況を
いい方向へ変えていけると考える
著者の考え方に、
私はまだ100%賛同することはできません。
著者のように「自己責任」という言葉を
否定する自信も私にはまだない。
私に生産性が足りないのは、
(生産性がない=生きる価値がないとまでは
思わないけれど)
「自己責任」だと思ってしまいます。

それでも、2冊本を読んで、
私は著者の物事へのかかわりあいかたが
好きだなと思いました。

著者の思想的な軸は、
必ずしも私とぴったり一致しているわけじゃないのに、
なんでだろう…と考えたら、
著者が、個々の人間を見ることに
重きを置いているからじゃないかなと
思い当たりました。

山手線の駅前にあるファストフードで
日雇い派遣で働く男性への取材を終えた後、
偶然、話を聞くことができた
住居を持たない「マリン」さん。
ダブルワークのバイトをしながら
大学進学を決めた高校生。
彼らに、自分が経験して来た労働運動や、
受けた奨学金の話をする著者は、
毎日新聞の記者ではなくて
1人の人間としてものを見て、話しているような気がする。
著者は、新聞社で無記名の原稿を書く時も、
こういうトーンで取材にあたるのかしら?

著者と同じように市民運動の
においがするジャーナリストでも、
書き手や取材相手の顔が
ぜんぜん見えてこない文体の人もいます。
私は、そういうのはあまりグッときません。

むしろ、
日経新聞や、保守的な考え方をする書き手の文の中に
個人の顔が見えてくる瞬間を見つけることがあります。

ルポルタージュでグッとくるかどうかって、
テーマや思想そのものじゃなく、
書き手が、対象にどうかかわってくるかで
決まるのかなあ。
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