原沢を電撃指導!山下副団長、道着姿で超異例の“金”寝技伝授 柔道/リオ五輪

リオデジャネイロ五輪の柔道男子日本代表が27日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターでの直前合宿を公開した。練習では日本選手団の山下泰裕副団長(59)=全日本柔道連盟(全柔連)副会長兼強化委員長=が100キロ超級の原沢久喜(24)=日本中央競馬会=に異例の直接指導。1984年ロサンゼルス大会無差別級金メダリストのレジェンドが、最重量級の後継者に寝技の極意などを伝授した。

壮天根
魔根
巨根カブセル

 前回ロンドン大会で史上初の金メダル「0」に終わった柔道男子復権へ、「世界の山下」はいてもたってもいられなかった。100キロ超級代表の原沢に五輪直前に異例の直接指導を行った。

 「マスコミの取材日(合宿公開日)じゃなければ、よかったんだけど…。目立つところで派手な動きをするべきではなかった。でも、気持ちを抑えきれませんでした」

 乱取り稽古が始まると、道着に身を包んだ山下副団長は原沢に熱視線を送った。そして、おもむろに近づき、手取り足取りでアドバイス。技のかけ方を実演する熱の入れようだった。本番を目前に控えた直前調整で、全柔連副会長兼強化委員長でもあるレジェンドの異例の行動に周囲は騒然となった。

 「あと2つ確実にポイントを押さえれば、絶対に試合でものになると思った。できれば、(指導が)生きる場面がある」

 伝授したのは、立ち技から寝技への移行の仕方だ。グラウンドに持ち込んでから、絞め技を繰り出す。相手が嫌がり、うつぶせ状態からひっくり返れば、抑え込む。

 現役時代に203連勝。外国選手相手には無敗という成績を残した山下副団長が得意とした流れ。1984年ロサンゼルス五輪でもこの流れから金メダルを手にした。極意の一端を「体重のかけ方と足で相手の首を制する。この2つ」と明かした。

 原沢は指導を真剣なまなざしで聞いた。寝技はここにきて、強化していたポイント。「いい状態で迎えられそう。自分の柔道で一戦一戦を戦い、目標はもちろん金メダルです」と手応えを口にした。

 100キロ超級には世界選手権7連覇中のテディ・リネール(27)=フランス=がいるが、山下副団長は原沢に期待を寄せる。

 「日本では最重量級の勝者が世界で一番との認識がある。原沢がリネールを倒すのは、ほかの階級の金メダルとはひと味も二味も違う」

 公開練習後の壮行式では昨年1月に死去した前強化委員長の斉藤仁氏の遺影が、関係者に抱かれて入場。「仁ちゃんの代理として頑張る。リオ五輪が終わり、仁ちゃんがあの世でほほ笑んでくれることが夢だ」。後任を務めるレジェンドは遠くを見つめた。