初代なでしこ監督 「佐々木監督の手法では世代交代進まない」

なでしこジャパンが東アジア杯を1勝2敗で終えて北朝鮮、韓国に次いで3位というのは、先のカナダW杯準優勝メンバーが6人しかいなかったとはいえ、決して満足のいく結果とは言えない。

 しかし、来年2~3月のリオ五輪アジア最終予選などを見据え、それなりの収穫もあった。勝利した3戦目・中国戦でゴールを決めたMF横山久美(21=長野)、MF杉田亜未(23=伊賀)以外にFW田中美南(21=日テレ)、MF柴田華絵(23=浦和)、MF京川舞(21=神戸)は「なでしこの主力を脅かす存在になり得るのでは」と期待を抱かせてくれた。

 ここ数年来、なでしこは「世代交代」がキーワードとなっている。

 しかし、2011年ドイツW杯優勝、12年ロンドン五輪、カナダW杯準優勝メンバーの顔触れは代わり映えしなかった。東アジア杯に出場した若手、中堅と代表主軸組に実力差があるのも事実だが、佐々木則夫監督が世代交代に失敗したのは「計画性の欠如」が原因だろう。

 ロンドン五輪後、佐々木監督は50、60人の若手や中堅を代表合宿などに招集し、積極的に世代交代を推し進めることを表明した。だが、試合での使い方を間違えた。

 若手らが国際レベルで通用するのか、それを推し量るためには、ベストメンバーのチームに抜擢し、そこで外国人選手相手に臆することなく、持ち味を存分に発揮できるかどうか――をテストするのが常道である。

 しかしながら、佐々木監督は「代表実績のない選手、乏しい選手ばかりのチーム=未成熟のチームの一員としてプレーさせてテストする」という手法をとった。果たしてこれで選手個々の“なでしこジャパンとしての適性”を判断できるのだろうか。断固、否である。

 東アジア杯でMF川村優理(26=仙台)の堂々とした立ち居振る舞いに目を見張った。カナダW杯にサブ要員として参加した川村は、短い時間ではあったが、実際にW杯でプレーすることで手応えを感じたのだろう。東アジア杯のピッチに登場すると、攻守にわたって圧倒的な存在感を示した。

 佐々木監督は、これまで若手や中堅にチャンスを与えてきた。が、試合になると選手をとっかえひっかえするばかり。本当の意味でのテストになっていなかった。

 可能性のある若手を代表に呼び、半年後、1年後を見据えながら、計画的に国際経験を積ませていくべきだ。そうしないとなでしこジャパンの世代交代は、いつまで経っても進まないだろう。
ルーセントハート RMT