日没前の組み立て作業で

通信技術が世界中をつなぎきってしまった時
世界はどのように変容するのだろうか。

通信技術は世界をつなぎ切れるのだろうか。

日没が迫る部屋で、大きな道具を倉庫にしまうための
組み立て作業をしていたことだ。

シャッターをあけ道具を搬入し、
解体して運んだものを
組み立てる作業を始めた。

その日は冬の日の快晴の午後だったので、
室内とはいえ搬入口は外に面しており、
十分な採光があり、普段も日没後でなければ
照明は点灯させない場所だ。

一時間を超す組み立ての作業で、
明らかに日照の照度が日没に向かって
極端に落ちてきた。東に面した場所だ。

自分はふと、照明を点灯させることを、
あえて選ばないでみた。

純粋な興味・関心から。

すると普段使わない感覚に

スイッチを入れなければならないことに

気づく。

まず、暗闇に向かって変化する照度の、

変化の割合を、感覚で推測し、

あとどれくらいの時間が経過すれば、

作業に困難をきたするのか、

という予測。

その予測をもとに逆算して、

暗闇でもできることと、

暗闇だと厳しいことの、作業の分類。

そして分類した作業に、つける、

優先順位。

その場所では、照明を点灯させることなく、

日没までの時間をつかって、

作業を行った。そして、

台車とエレベーターを使って

倉庫まで移動したときに、

暗闇ゆえに、間違っていた手順や、

作業を、蛍光灯のもとに、やり直しをした。


蛍光灯をつけて作業するよりも、

一時間ちかく無駄にしたかもしれない。

しかしその時間と引き替えに自分に起こった

感覚と、その感覚を元にした思考は、

十分に興味深かった。


たとえば体育館や巨大な屋内展示場のような場所で、

そうした感覚を機材をつかって

シミュレートすることは可能だろう。

そのシミュレートも、人間の脳を十二分に

リアルと騙せるくらいの精度も、

技術的に可能だろう。


しかし、そのシミュレートを

オリジナルを元にではなく、

シミュレートにシミュレートを重ねて

シミュレート

しつづけたときに、どこかに、

コピーの劣化は起こらないのだろうか。


自然においては、偶発的な出来事は、

劣化ではなく突然変異としても起こる。


ミステイクが劣化なのか変異なのか、

機材の精度、といったときの精度と、

まったく逆の概念が

自然を自然たらしめているような気もする。

精度とは逆のものを、極限までたかめた精度でシミュレートしたときに、完全に同じものはできるのだろうか。

世界は、一秒たりとも、同じ様相ではありえないのに。
MaxMan
黒倍王
アフリカ超人