ゲノム・ハザード

ゲノム・ハザード~ある天才科学者の5日間~
1998年文芸春秋版。
読み始めたのはたしかおとといだったか。
今日の外来が結構ひまで、読み終えてしまいました。
ていうか、スピード感があって、続きが気になってあっという間に読めてしまった。

ちょこちょこ腑に落ちない点、説得力がない点はあるものの。
意外な結末(?)犯人(?)にびっくりでした。
私 ミステリー好きですけど、犯人とかトリックとかまったく考えずに読む性質で、たいていネタバレ直前の(探偵が犯人に謎解きを始める)段階で「あ~そうだったんだ~」って思うですけど、
今回はネタバレしてから「え!?そうだったの???」「え!え!?」「うそ~なんで??」
って感じでした。
何も考えてなさすぎだろ、私。
で、ちょっとネタバレというか最後だけですが、まったくもってハッピーエンドでもなんでもなくて(一部ハッピー?なエンドではあるが)
ものすごく切なかったです。
ラスト。
切なくて切なくて。
なんだったんだ?この本?
何を訴えたかったんだ?
って作者に聞きたいですけど。

で、あまりにも切なくて苦しくて(恋してんのか、私)
このままでは終われなくて。
映画版のゲノムハザードのネットページを見てみました。
そしたら、原作とだいぶ内容違うわ。
あ、内容はそこまで違わないかも知れないけど、まず主人公の名前が違ったわ。
映画版は「イラストレーターの日本人」と「天才科学者の韓国人」なんだけど、そして原作はどっちも日本人。
そして「イラストレーターの日本人」の名前が映画と原作で違うのだが、これは変える必要があったのか??原作の名前が普通すぎたのか??
そして「イラストレーターの日本人」の妻役(美由紀)を真木よう子が演じているんだけど、
映画は見てないからどんなキャラクターかわかりませんが、
私の中での真木よう子と原作の美由紀のキャラクターがあまりにも違いすぎて・・・・
原作の美由紀はそうね、ちょっと古いけど高橋由美子があってるんじゃないかな。
あんな感じ。
愛くるしいわがままな一人娘のお嬢様、ですもんね。

あー切なかった。
心に染み入ったわ。

100人に1人

思ったより発症頻度が高い・・・。
この100人に1人程度っていうのがどのくらいかといえば、
胃潰瘍と同じくらいの発症頻度なんだそうだ。

つまり、そのくらい、「誰がなってもおかしくない病気」ということでもある。
そのくせ、「幻聴」「幻視」という、経験をしたことがない人間には理解の難しい症状を持つ。

おもしろいもので、発症頻度はほぼ同じなのに、
一生絶対に自分が胃潰瘍にならない、なるわけがない
と思っている人はものすごく少ないだろうと思うが、
一生絶対に自分が統合失調症になることなんてない、なるわけがない
と思っている人はわりといるのではないだろうか。

「そんな危ない人とわざわざ関わる必要はないし理解する必要もない」
なんていう意見も散見していたが、
明日、突然自分の家族や自分が罹患したときに同じことが言えるだろうか。
初期治療が適切ならば、統合失調症は完治できる病気であり、
薬剤によるコントロールも可能な病気。
その後の一生を、「特殊な人間」として切り離しされるべき病気ではないと感じる。
だって100人に1人って、
誰しもが身近に1人はいる程度のありふれた病気なのだから。


こういった理解されずらい病気の偏見をなくすためには、
自分も決して他人事ではすまない、いつか自分もかかることがあるかもしれない
という視点を、より多くの人が持つことがまずは偏見をなくしていく第一歩ではないかなぁと思う。
また、発症したときの症状の様子がこうして疑似体験出来るようになったということは大きな前進ではなかろうかと思う。
全国各地でこのセミナー、やってほしい。
非常に良い試みだと思う。

余談だが・・・・
統合失調症ははっきりと脳波にも変化が出てくる病気であり、「脳病」とも言われている。
そのため、変な精神論などが介入するべき問題ではない。
本人の甘えとかの問題とは根本的に別。この病気には、脳の偏重を改善させるための治療が必須であり、「自己への甘え」をなくしたところで病気は改善しない。
投薬治療を怠れば一直線で症状を悪化させる。幻聴が消えていた人でも、投薬をサボるとまた発生することもよくある。