ビニール袋大好き

オバちゃん臭いのかもしれない。
なぜだか安心する。

僕は忘れ物に関して心配性なのだ。

だから、大事なものはいつでも取り出せるようにしておきたい。存在を確認したい。

それに、何でも出てくるビニール袋があれば、漫画のようで心強いだろう。


入れるのは、オヤツや、電車内で読む本だ。このまま無人島へ行ってもいいと思う。

家の鍵、財布なんかも入れる。てんで無防備だ。でも日本ならば平気だ。

スーパーの白い袋が主だが、書店の袋も良い。厚めに作ってあるし、フォルムからはインテリな感じが出ている。

サブバッグよりもビニール袋が好きだ。いらなくなったら、オヤツのゴミを入れてポイだ。

一見ダサいかもしれない。でもそれが良い。

僕はおしゃれに拘っているわけじゃない。ただ自然体でいたら、たまたま服装が洒落てしまったのだ、という設定でいる。

そしたら母親が言った。

「おまえのそれは、オシャレとかダサいとか以前の問題だ」

仕方が無いので、僕はフライングタイガーへ行き、小さなスーツケースを買ってきた。

以来僕はこれを持ち歩くことにした。

実のところ、これはスーツケースではなかった。本来は、家に置いて使うための小物入れであり、素材も厚紙だった。

だからこそ、誰とも被ることが無かった。

周りの人はこう言った。

「独特だね」「ペンギン柄が可愛い」

しかし真似をする人は現れなかった。

何はともあれ、僕はすっかりスーツケース男子として定着した。

同僚からの誕生日プレゼントもフライングタイガーのスーツケースだった。

しかしそれは普段使うスーツケースより一回り小さく、使い道がなかった。

困った末に僕はこう言った。

「ありがとう。財布入れとして使うよ」

一ヶ月ほど前、スーツケースを踏んづけて壊した。

部屋の中にポツンと置いてあったそれは、まるで愛嬌の無い音を立てて潰れた。

僕は思った。

ビニール袋ならこうはいかないのに。

現在、僕のサブバッグは欠番だ。

怪しげな鞄を買ってやろうと浅草に行ったりもした。

だが目ぼしいものは見つかっていない。
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