顔をのけぞらせ

あたしとミディアスは、あたりを見回して、すぐに地下牢の入り口に人影を発見した。
まだ子供と言っても通用しそうな小さな人影。それでも、顔をのけぞらせ、ふんぞり返って、高笑いを続けている。
「アンナ!」

ミディアスの声で、ようやく高笑いを止めた。ゆっくりとした足取りで地下牢の中の通路を進んでくる。
「オーホッホッホー。ミディアス、いい気味だわね。どこへ逃げようとしてもムダよ! 最初に会ったときに言ったでしょ! あなたはわたしのものだって。あなたはわたしのものにならなくちゃいけないって!」
そして、あたしたちがいる牢の前に声の主が立つ。その姿は、太陽の光が固まり、まとまったような長い髪をもつ少女だった。
少女は、ミディアスに負けず劣らずの美形だった。完璧なパーツ。完璧な配置。当代きっての名工が精魂込めてこしらえた人形が、神の眼にとまり、そっと命を吹き与えられたような、そんな神秘的な現実離れした雰囲気を持つ美少女。そんな少女があたしたちの牢の前に立っているのだった。

「「う、うそ……」」
期せずして、あたしとその少女が同時に同じ言葉をつぶやいた。
あたしは、そのあまりの美貌に信じられない思いで、でも、彼女は、なんでそんなことを? あたしって、彼女と同様に見た眼が信じられなくなるほど美しいとでもいうのかしら?
「だ、だれ? あなた、だれなの?」
あたしを指差して、詰問してくる。
「ミディアス、この女は、だれ? だれなの?」
えーと……? なに、これ?

ミディアスは、あたしの隣で苦笑を浮かべている。
「ミディアス、答えなさい。この女はだれなの? なんで、ここに一緒にいるの?」
ミディアスは肩をすくめるばかり。
「なんで、答えないの? あなたは、わたしのものなのよ。答えなさい。わたしの質問に、ちゃんと答えなさい!」
大きく見開いた眼。怒りがこもっている。
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