忘れた、けど忘れない

関西出身の俺からは馴染みが薄い土地。

転勤してきた身としては、会社も含めて、当たり前だけど、知らない人しかいなかった。
でも、俺にはあたたかく接してくれた人達がたくさんいた。

酒弱い俺をいつも誘う。そしてついに最後まで一銭たりとも俺に出させなかった代理店さん。

いつも訪問が昼近く。行くと昼飯を作ってくれていた。俺を息子のようだと言ってくれていた代理店さん。

いつもは厳しめの口調だけど、お茶の収穫時期になると必ず美味しい新茶の缶をくれた、ツナギをきた社長。

夜、残業で遅くなってる俺に、帰り際、近くのスーパーで何やら買ってきて、給湯室で夜食を作ってくれた同期の子。
俺が社内の怖~いお姉さまに思い切り怒られてる時、小声で「頑張って」と言ってくれたっけね。

俺ん家で同期7人でやった宴会。知らん間に人の短パン勝手にはいて、座ったらパンツ見えるぞ、って言ってんのにお構いなし。勝手に風呂沸かして入ってた奴もいた。結局誰も帰らず部屋で雑魚寝。

アウトドア派で、釣りやキャンプ、バーベキューを企画しては連れてってくれた代理店さん。

仕事はきつかったけど、楽しかった。

そして、俺とあの人を引き合わせてくれたバイク店の若社長。一番感謝かな~。

皆さんには、世話になりっ放しで、何も恩返しができなかったな。

彼女と出会えた事が一番の幸せだった。

平日は、まともに会えた日があった記憶がない。クリスマスとかであっても。
夜中のほんの30分くらい。会社帰りに。彼女は部屋の窓からそっと家を抜け出してきていた。
俺が沼津へ異動になると、それも出来なくなった。流石に65キロ離れていては無理。

だから、土日はずっと一緒にいた。
会社関係で、仕事なら一切文句言わないのに、釣りやキャンプやバーベキューなどの予定が入ってしまうと、いつも拗ねられて、機嫌を直すのが大変だったな。

前・中・後と日記で俺が思い出深い物・場所を書きながら、目を閉じてその場所1つ1つを思い浮かべると、楽しかったその場所だけが、映った。

本来なら、そこには、彼女が笑ってる姿が一緒に見えていたはずで、もう今の俺の目には映らない。

一緒に連れて静岡を出たかった。
でも、叶わなかった。
「もう疲れたろ。終わりにしようか」
まさかこんな言葉を発しなきゃいけない日がくるとは思っていなかった。

終わった直後に受けた、東京への異動辞令。新しい地でやり直せ、と言われてるように感じた。
彼女には告げずに、静岡を出た。

あれから、数年。この日記を書いて、静岡の良い所をたくさん書いて、湧き出てくるのは、美しかった日々だけ。

俺の第二の故郷。ウルトラマンみたいな事を言ってんじゃねぇ、と。笑

大事だった人の姿は消えてしまったけど、新たな人の姿はその場所に入ってくるのか?今はまだシルエットだけで、誰なのかはわからない。

いつの日か、きっといつの日か。
さあ、今月もたくさん、くだらない内容ばかりでしたが、たくさん日記を書きました。もう‥満足です
威哥王
三便宝