私は記憶力が良い方だと思う

視覚による記憶は特に残り、その時の状況や場所の様子がパッと目の間に現れて来る。ハネムーンの時に泊まったホテルのタイルなんかも。そしてそんな思い出は感情が伴うことでさらに深く心のどこかに残るから、それらの物を見た時には、きっとなんらかの強い「気持ち」が伴っていたのだろう。

毎年ママは、神田川の桜の写真を送って来てくれる。神田川は私にとって実家のすぐ側にある馴染みのある川去に高い地位にあった人や、素なのに、私はその川と桜がワンセットになった姿を思い出せない。神田川を思い出そうとすると、小さい頃に良く台風で氾濫し、家のある坂の下の商店街が水浸しになったこと。そして川の方にパパと見に行った時、川添公園付近で胸まで漬かっている人がいたことだけ覚えている。そして、川添公園と書いて、今初めて、川の側にあるから川添公園だったんだ、、と気づいた。子供の私にとってはカワゾエ公園だったから。

私にとってはそんな神田川なのだが、今年もママが神田川と桜の写真を送って来てくれた。

甘茶というのは元来は植物の名前なのね。そしてそれを煎じたものをお釈迦さまにかけるのね。
私は「宝仙学園幼稚園」に行っていたが、そう言えば、どこの幼稚園ですか?と聞かれると「ほうせんがくえんかんのんようちえん です!」と答えていたっけ。その言葉は呪文的で「観音幼稚園」だと思っていなかった。カワゾエ公園と同じように。

さて、悔しくも甘茶を覚えていない私だが、一番幼い時の思い出は一体なんだろう。私の友達に、生まれた瞬間を覚えていると言っていた子がいた。生まれてこの世界に飛び出して来た時の光を覚えているというのだ。
もちろん、私はそんなことは覚えておらず幼稚園の時の思い出が一番最初なのだと思う。幼稚園時代の思い出はいくつかある。

期間限定で

しかも数は少ないものの、エーデルワイスの鉢植えがスーパーの花売り場にも並ぶようになって、すでに久しい。

これまでは店内で眺めるだけで私は満足していた。
うちに持って帰っても、面倒をみてやれる自信がなかったからだ。

「ここは南国?」と思モノを置いた場を忘れるわせるような暑い夏がスイスでも増えてきたし、うちのアパートのバルコニーは南向きだから夏は日射時間も長い。

高所の岩場やガレ場でひっそりと咲いているのが好きなエーデルワイスに、そんなうちのバルコニーを気に入ってもらえるとは、とてもじゃないが思えない。

だから値段を確かめてみたことは一度もなかった。

ところが、である。
先週の金曜日に、とうとう買ってしまったのだ。(^^;

いつものように花売り場をきょろきょろ眺めながら食料品売り場に向かっていると、エーデルワイスが目に飛び込んできた。去年はここのスーパーではみかけなかったので、2年ぶりだ。

心の中で小躍りしながら近づいてみると、小さい鉢にたくさんのエーデルワイスが肩を寄せ合いひしめいている。


‥‥というのは真っ赤なウソ。へへへ、5フラン90ラッペン(約644円)だったの」

今回も買うつもりはなかったので、値段が目に入ったのはまったくの偶然。
過去の実際の値段は知らないけれど、私も夫と同じように30フランはするかなと、ぼんやりとではあるが、思っていたのだ。

それが、5フラン90ラッペン! 

この時ばかりはエーデルワイスの気持なんぞ酌んでる余裕はなかった。
つまり、ビンボー母さんの顔がモロに出てしまったわけだ。(^^;

どひぁー! 政府がすべての人に無条件で月々2500フラン(今日のレート換算で約27万円)を給付してくれる?!

脳みそが発酵して舌や眼がよろけそうになった。

だが、待て。 
こりゃ酔い良い宵♪と浮かれている場合じゃないよ。
タダほど高くつくものはないのだから。

一体全体どこから出てくるんだ、そんなお金?

年金や生活保護、失業手当などを廃止し消費税を大幅に上げて、あちこち出せるところからはすべてかき集めてきたとしても、火の車になる‥‥らしい。

スイスでも選挙権のある私は、投票用紙はすでに6月2日に郵送ですませてしまっている。もちろんこの発議案には断固反対。夫も反対だ。

村の知り合いもみんな顔をしかめて反対しているのだが、その中の一人、昨日バスで一緒になった女性(80代)の言葉にはハッとさせられた。彼女は4月にご主人を亡くしたばかりだ。

「私はもう働けないのよ。年金が入ってこなくて2500フランだけで、どうやって生活するの?」

スイスは物価が高い。都市部で家賃が10万円をきるお1人さま用のアパートを見つけるのは、簡単ではない。