夜の渋谷は久しぶりだった

8月に宮益坂側にあるヒカリエの劇場で「戦火の馬」の演劇を見たが、夜ハチ公側に足を踏み入れるのは数年ぶりかもしれない。
 ハチ公前に集まる若い人たちを眺めながら、渋谷もずいぶん変わったものだと隔世の感を深める。外国人も多く、グループでビデオの自撮りをしている。交差点に立つと、あちこちで外国人モノを置いた場を忘れるが同じことをしている。

「何してるんだろう」と独りごちると、「外国人旅行者の間で流行ってるのよ」と連れ合いが教えてくれる。何でも、渋谷のスクランブル交差点を渡る自分の姿をビデオに収めるのが、外国人旅行者の間で人気らしい。
「アビーロードみたいだな・・・」

 ビートルズのアルバムに「アビーロード」というのがあって、横断歩道を渡る彼らの姿がジャケットに使われている。ロンドンを訪れるビートルズファンの旅行客はこのアビーロードに行って、ジャケットと同じ写真を撮るのが流行ったことがある。今でも、そうかもしれない。


 バーに行くまでは、どんな映画のカクテルを頼もうかと考えを巡らしていたが、テーブルに着くと、やはり自分の一番好きな映画にしようと70年代の邦画のタイトルを頼んだ。
 メニューには映画のタイトルが並んでいたが、混んでいない時にはそれ以外の映画でもカクテルを作ってもらえると聞いていた。
 残念ながら、バーテンの誰もその映画を見てなく、代わりにメニューにあった『小さな恋のメロディー』を注文した。どうせなら楽しそうな映画のタイトルの方が、見た目にも楽しいカクテルなんじゃないかと考えた。そして出てきたのは、グレープフルーツを使った可愛いカクテルだった。

 映画のタイトルを考えながら注文するのは楽しい。自然映画の話になるし、出てきたカクテルを見て、また映画談議に花が咲く。
 仕事の話をするわけでも、悩み事相談をするわけでも、愚痴をこぼすわけでもなく、誰もが映画の楽しい話で盛り上がる。店員もみんな映画好きで雰囲気も良い。
 注文してもう一つ作れなかったカクテルがあったが、60年代洋画のマニアックな迷作なので知らなくて当然。通常、話題になった映画なら、大抵は作れるのではないか。
 
 ところで、この日、私と連れ合いは昼間、映画を見てから渋谷に行った。見たのは『蜩の記』という黒澤組助監督だった小泉堯史監督の時代劇で、その感想はともかくとして、映画館はTOHOシネマズ西新井だった。

(次回、「なぜ西新井で映画を見てから渋谷の映画バーに行ったのか?」に続く・・・カクテルの写真も)
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