「嫁・主人」と呼んだら男女差別? いい呼び方ありませんか? 呼ばれたくない1位は…

自分の妻を「嫁」と呼ぶのは違和感がある──そんな問いかけが話題を呼んでいます。女性が他家に嫁ぐような印象を与えることから、戦前の「家制度」を思い出すというのが理由。「今の時代にふさわしい呼び方を考えませんか?」という意見には「こだわりすぎだと思う」「どのように呼んでもよい」という反論も。実はこの議論、何十年も前から繰り広げられていました。

 発端となったのは、「『嫁』『主人』に代わる言葉ないか」というタイトルで5月17日の朝日新聞の投稿欄に載った記事です。若い人が自分の妻を「嫁」と呼ぶことに違和感を感じ、「嫁」「主人」を使わない呼び方を考えてほしいという、というものでした。
「どのように呼んでもよい」「いい気分はしない」

 これに対し、7月8日の投稿欄に反響が紹介されました。

 「戦前の『家制度』を思い起こすからと書いておられるが、こだわりすぎだと思う」
 「お互いの信頼の上に成り立つ呼び方ならば、どのように呼んでもよい」
 「『嫁』は下に見られているようでいい気分はしない」

 賛成派も反対派も、それぞれ持論を述べる展開に。この「嫁・主人」論争、古くて新しいテーマでした。
何十年前からあった議論

 日本語研究家の遠藤織枝・文教大元教授は「同じような議論は何十年も前からされています」と指摘します。遠藤氏によると、嫁の本来の意味は「男性のもとに嫁ぎ、婚家の跡取りを生み、その家のために働く女性に対する呼称」。「主人」は「家のぬし」で「使用人が雇い主を呼ぶ主従関係を示す言葉」でした。

 戦前は主人のほかに、「夫・やど・亭主・だんな・あるじ・うちの人」などの呼び名もあり、一般的な呼び名として定着したのは戦後からだと言われています。

 遠藤氏は「抵抗がある場合は使わないことです。代わる呼び方を考えて下さい」と提案。「言葉は生きています。使われなくなれば、消えていきます。自分の気持ちを表すのにいちばん合っていると思う言葉を使うようにしませんか」と話しています。
三体牛鞭