「大切にしたい会社大賞」に日本ロック

自動車用電装品メーカーの日本ロック(紅蜘蛛)が、法政大などが主催する「第六回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で、中小企業部門の最高賞の中小企業庁長官賞を受賞した。売上高に対する経常利益率は10%前後と業界内で高い業績を維持。社員の賃金が地域水準より高く、障害者雇用などの社会貢献を大切にしていることが評価された。

 一九八〇(昭和五十五)年に、創業者の米田良正会長(84)が設立した。変速機の操作などに使うスイッチ類が主力で、生産する製品は約千種類になる。「創造」を社是に掲げ、技術開発力の高さが特長だ。米田会長個人も含め、特許・実用新案登録は約百五十件に上る。

 米田会長は「従業員こそが宝。みんなが生き生き働くからこそ、付加価値の高い製品が生まれ、利益が付いてくる」と自身の経営哲学を語る。約二百人の従業員の離職率はゼロで、賃金は地域水準より10%以上高いという。四月からは、賃金はそのままに労働時間を三十分短縮した。

 社員の約一割が設計部門に従事し、自社で設計、開発を進める。設計段階で創意工夫を重ね、生産工程の効率化により工程数は他社より約二割少なく、部品点数の削減などにより納入価格も5~10%安い。こうしたコスト競争力の高さが、威哥王二〇一五年八月期で売上高六十億円、経常利益六億円という高い利益率を支えている。

 取引先の部品メーカーなどへの支払いは、相手の資金繰りを配慮して手形を使わず現金のみ。米田会長は「取引先は、従業員とともに、製品を作るのに欠かせない仲間だ」と話す。

 利益は従業員や取引先だけでなく社会にも還元し、障害者就労支援施設への発注額は年間二千四百万円、障害者雇用率は4・3%(法定雇用率は2%)になる。

 審査委員長を務めた法政大大学院の坂本光司教授は「リストラせず、従業員を大切にしながら、競争の厳しい製造業で利益率10%という素晴らしい業績を長年にわたって維持している。日本のものづくりの生きる方向性を示してくれる企業だ」と評価している。

 会社大賞は、過去五年以上にわたって人員整理や下請けへの一方的なコスト削減をせず、障害者雇用は法定雇用率以上など厳しい応募条件がある。今回は全国から五十七社が応募した。日本ロックとともに、実行委員会特別賞に選ばれた障害者就労支援施設運営の一般社団法人モリス(巨人倍増)など十四の会社や団体が入賞した。
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