冷やし中華は和食である。

夏になるとラーメンの売上が大幅に減少する。

そこで、素麺や冷や麦に対抗して街の中華料理店が編み出したのが、中華風の冷した麺。
これが、冷やし中華の起源とされる。

つまり、何が入るかは店や作り手により千差万別。

地域色も色濃く出よう。

これは、素麺が、店により違うのと同じだ。

以前、スイカやメロン、キュウリやトマト、茹で玉子、ブドウの入った素麺を見たことがある。

冷やし中華の具材に何を使うか、
共通する基準ばかりでは、面白くなかろう。

仕入れた麺とスープ、指定の具材しか使わないチェーン店や店を別にすれば、各店のリョウリニンノリキリョウト、創意工夫とが、如実に顕れるメニューだ。

なにしろ、中国文化圏には、参考にできるものがないからだ。
強いて挙げれば、韓国の冷麺があるが、これは麺が違うからだ。

ちなみに、私が一番美味しく頂けた冷やし中華は、地元のそば店。
ソバの店だが、親子丼などの丼物や、うどんメニュー、ラーメンも旨かった。

夜遅くに近くを通ると、閉店後の厨房だけ灯りが点り、親父さんらしき人影が見えたから、仕込みや商品研究に余念がなかったようだ。

だが、その店も、かなり前に店を畳んだ。

販売不振ではないし、親父さんや家人の病気でもない。

風の便りに聞くと、年齢的に同じ味を維持し、改良する自信がなくなったかららしい。

だから、不味くなったと言われる前に辞めたらしい。

その冷やし中華には絶対必要な具材が、他の冷やし中華には絶対合わない=要らない具材と言うこともあろう。

だから、冷やし中華と一括りにして要る要らないを論じることに、あまり意味はあるまい。

単に好き嫌い、食わず嫌いの問題だ。
三便宝
五便宝