アルスラーン戦記15巻【感想】【批判だよ】

アルスラーンが街の子供たちと幸せそうにしてる描写が良かったです。56Pって覚えた。
はっきり言ってアルスラーン戦記の原作小説は、1部と2部では読み物としての面白さのレベルがだいぶ違っていて、残念ながら2部はつまらないのです。前の14巻「天鳴地動」が2部で一番オモシロイ!!と感じる読み心地だったので、今回も期待していました。つまんねぇ。
威哥王
一冊読み終えるまでに何度も他の用事や昼寝を挟んでしまうかったるさ、うーん、展開そのものが悪いわけではないのだけど…私なりに、どこがダメだったのかを分析していきたいと思います。

第一章 痛快さがカケラも無い。

ミスルの幼王が殺される場面と、ヒルメスたちが海を渡った際に馬を死なせたエピソードが続いて気分が悪い。

ヒルメスに対して「どっちかというと嫌い」という気持ちになる。
そうなるとどこの国へ向かおうが、誰と何を話そうが、応援したい人物や希望する展開が無いので、読んでてただ不快なだけ。

ギスカールの執務室までどうやって侵入したのか略さないでくださいよ。統治し始めたばかりの王宮ですよ、文章の流れでヒルメス女装して来たのか?!と思ったけどそうでもなかったから手抜きにしか見えない。(女装して来たら笑えたのだが…)
三体牛鞭
いくらギスカールは虜囚トラウマがあるといっても、たった2人に脅されて本当に同盟組むかいな( ;´Д`)わかったフリして暗殺できるでしょうよ。将校みんな出兵に疑問抱いてるんだから、出兵の準備中に一言「あの2人やれ」と指示すれば済むがな!

ヒルメスがギスカールに同盟じゃなくて、兵士を何千人かよこせっつって取引終了(一応ギスカールの王朝の遊撃軍扱い)なら納得いくんだけど。

イルテリシュ、正直要らなくね?1部の敗走時に魔導師に拾われる場面はゾクゾクして良かったけど、さっさと使い捨てて「やはりこやつも器にはならなかったか…」て処理した方が相関図がスッキリしたんじゃないかなー。チュルク攻略まで軍事的に役には立ってたけど、本当に「役に必要」なだけで、読者から必要とされる存在だろうか。

第二章 王宮の城壁から、100キロ離れたデマヴァント山の上空が、目視でわかるほど黒ずんでいるのを確認

→なんでそこから雑談に入って、それが終わったらクバードは工事現場、イスファーンはキシュワードの邸へ行っちゃうんだよ!桃太郎のおじいさんとおばあさんかよ!

ここソレイマニエ戦の直前に入れるべきだろう~

こういう、ワクワクが肩透かし、みたいな構成がちょくちょくあるんだよ。
五便宝
バリパダがサリーマに惚れる下り、肝心なところが飛ばされて男同士の会話だけになっちゃって~、イノケンティス王やオスロエス王がタハミーネに惚れた場面の文章の印象強さはどこへ!

第四章からはスラスラ読めて面白かったです。

いや?面白かったかな…誰が死ぬんだろうとハラハラして慌てて読み抜けた感じでもある…

ナルサスがもう少し、実は緊張してたら萌えたんですが。なんか決定的になったエピソード欲しかったなー。

戦記物とは、死にゆく人間たちの物語なのですが、1部にはたくさんの「読みどころ」となる「死の場面」がありました。私が最も好きなのはサーム。バフマン、バルカシオン伯、イノケンティス王もいいですね。

悲しくて辛くてしょうがないのに読み返しちゃう死の場面てあるよね。私はバフマンとサームのところは何度となく読み返しています。

なんだけど…13巻からなあ…

「皆殺しのために殺してる」感じがするんだよねえ、田中芳樹という作家、そしてファンたちが、「皆殺しの田中」を持ち上げ過ぎ、イジリ過ぎたのかもしれない。

田中芳樹が、「田中芳樹らしさ」を全うしようとしてブレた、みたいな。

前巻は面白かったので「つまらなくなった」と断じはしません。ただ、「15巻はつまらなかった」です。

新たに出された「尊師の正体は誰だ?」の謎ですが。

前から「蛇王の前の王の名前って必要か?」と思っていたのと、今回アルスラーンが言った「こういうとき、人は、人を超える力を欲するのだろうなあ」が動機。そのために蛇王に取り込まれて邪悪に染まった。

カイ・ホスローの可能性もあるけど、ルクナバードがヒルメスではなくアルスラーンを選んだいきさつがあるのと、わたし、「タハミーネの娘はアイーシャ」派なので、フィトナも赤子の時点で仕込まれた偽物と踏んでおります。

アルスラーンは早逝が後世に伝わる詩で確定しているし、最終的にパルスどうなるのかな、と長年考えていましたが、エラムとアイーシャが噂の関係になっているところを見ると、アルスラーン亡きあと、誰も知らないまま、エラム王の妃がカイ・ホスローの血統を繋いでいく、というオチもありだな、と思いました。皮肉な感じで。

次が最終巻。多分来年に発売される。いろいろありましたが最後までつきまいますよ。