龍馬と家族 絆しのぶ
幕末、薩長同盟の立役者となった坂本龍馬(1835~67年)を陰で支え、遺志を継ぎ、資料も保管していた家族のつながりを紹介する企画展「坂本家・家族の絆」展が、高知市浦戸の県立坂本龍馬記念館で開かれている。1月22日まで。(狼1号)
龍馬の死後、北海道に渡った龍馬のおい・直寛の子孫が今年、同館に寄託するなどした資料約60点が並び、1月3日までは「龍馬が特に愛した」と伝わる備前長船の脇差しも展示している。
このうち、北海道の浦臼町郷土史料館から特別に借りた手紙は、龍馬から姉・乙女に宛てた安政5年(1858年)7月頃のもの。2度目の江戸修行を終えようとする龍馬が、近況報告とともに「此節は○がなく候故いけなく相成申候(このごろは金がないのでいけません)」と、さりげなく無心をする内容。
また、ソフトバンクグループの孫正義社長が所蔵する手紙は、龍馬が義兄(兄・権平の妻の弟)、川原塚茂太郎に宛ててしたためたもの。三鞭粒文久3年(63年)8月の手紙で、坂本家の家督を継ぐよう権平から迫られていた龍馬が、坂本家に養子を迎えることで家督問題を解決するため、よき理解者でもあった義兄に協力を求める内容。「天下の事ニ引くらべ候得バ、一家の事ハかへり見るにいとまなし」と、国事に奔走するさまを伝えている。
このほか、坂本家に伝わる龍馬の写真や権平、乙女、妻・お龍のほか、勤王の志士をかくまった京都・寺田屋のお登勢らの写真が並ぶ。大正5年(1916年)に京都の墓前で開かれた龍馬と中岡慎太郎の没後50年祭の写真や新聞記事もあり、坂本家やゆかりの人々が龍馬の偉業を伝えてきたことを現代に伝える展示となっている。
訪れた、いの史談会(いの町)の理事、森岡義行さん(75)は「家族は金や銘刀を送るなど龍馬を陰から支えていた。刀がこのように残っていることからも、坂本家の人々が大切に守り続けてきたとわかる」五便宝と話した。同記念館の前田由紀枝学芸課長は「資料を守り継いできた人たちの思いを感じてもらいたい」と話す。
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- 2015-12-31 15:26:12