世界最大のサンゴ礁で大量死、豪政府が緊急対応

世界最大のサンゴ礁であるグレート・バリア・リーフで過去に例をみない大量死が起こっていると報告され、オーストラリア政府は急きょ最高レベルの対応を決定した。

 グレート・バリア・リーフの北端に当たるヨーク岬周辺海域でダイビング調査を行ったところ、サンゴが白く変化する白化現象により、死亡率が50%にも上っていることが明らかとなった。政府の発表によると、最も可能性が高い原因は海水温の上昇だという。
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「サンゴ礁の中でも特に最北端のサンゴは、この夏の猛烈な暑さによって何カ月も温かい海水にさらされ、熱ストレスがもはや限界に達しています」グレート・バリア・リーフ海洋公園管理局の局長ラッセル・ライヒェルト氏は声明でそう語った。

 サンゴの白化現象は海水が高温になると発生する。ある温度以上の海水温が続くと、普段はサンゴの体内に共生している褐虫藻と呼ばれる極小の藻類が、死んだり、体外に排出されたりする。褐虫藻はサンゴの栄養の主な供給源であり、また鮮やかなサンゴの色の源でもある。海水温が早めに下がればサンゴは回復するものの、さもなければ死に至る。
絶對高潮
 これは、オーストラリアに限らず世界中で起こっている現象だ。昨年1年間で、世界のサンゴ礁の約12%がエルニーニョや気候変動によって白化し、そのうち半分近くの1万2000平方キロ(サンゴ礁の5%以上)は、永久に失われてしまうとも予測されている。この温暖化傾向は今年いっぱい続くと見られており、史上類を見ない世界規模での白化現象の長期化につながる恐れもある。

 オーストラリア政府は今回の報告を受けて、サンゴ白化対策レベルをレベル3に引き上げた。これによって、同国北東部沿岸2000キロに伸びる総面積34万4400平方キロの広大なグレート・バリア・リーフ全体へ調査範囲が拡大されることとなる。サンゴ礁は、ダイビングスポットや観光地として、同国の経済に年間30億ドル以上の収入をもたらしている。