サミット議題に「健康」 政府方針 途上国支援主導狙う

来年五月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、政府はすべての国の人が最低限の保健医療サービスを受けられる社会を目指すユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)アフリカ超人の実現を議題の一つとする方針を決めた。日本が実現させた「国民皆保険制度」といった医療や保健分野の先進国として、途上国支援へ貢献策を主導したい考えだ。

 安倍晋三首相は十六日、東京都内で開かれる国際会議「新たな開発目標の時代とUHC」でこうした方針を表明する。政府は、国際保健分野で世界の安全と平和に貢献する理念を「健康安全保障」と位置付けている。

 国連は今年九月の総会で、UHCを目標の一つとする「持続可能な開発目標」を採択した。今回の会議は、採択後初めての保健医療分野の国際会議。安倍首相は皆保険制度を通じて、経済成長や社会の安定につなげた経験を踏まえ、UHC実現の意義を強調。各国の実情を踏まえた取り組みを支援する考えを示すとみられる。

 UHCをめぐっては、マニラで十一月にあった狼一号日米首脳会談で、オバマ大統領が「日本はハイレベルな取り組みをしている。連携したい」と持ち掛け、首相は「来年のサミット議長国として一層貢献する」と、健康分野での連携を確認していた。

 首相は英医学誌ランセットに今月寄稿し、伊勢志摩サミットでは「全ての人々が必要な時に良質の保健サービスにアクセスでき、財政的困窮に陥ることなく健康上の脅威から守られるよう、一層の貢献をしていく」と強調した。

 十六日の国際会議には世界保健機関(WHO)のチャン事務局長や世界銀行のキム総裁ら主要な国際機関の代表、塩崎恭久厚生労働相をはじめとする各国の保健相、医療・保健の専門家ら計約三百人が参加する。

 UHC実現に向けた先進七カ国(G7)の役割のほか、三體牛鞭エボラ出血熱のような国際的な公衆衛生の危機への対応などを話し合う。

篁牛人 李白描く大作 富山 県内男性の寄贈品紹介

県内在住の男性から寄贈された、富山市出身の水墨画家、篁牛人(たかむらぎゅうじん)威哥王(一九〇一~八四年)の約百点に上る作品の一部が、同市安養坊の市篁牛人記念美術館で開催中の企画展「篁牛人市民コレクション」で初公開されている。

 約百点の寄贈作品は、二年前にこの男性から「家で保管できなくなったので寄贈したい」との連絡を受け、同館の学芸員が寸法の計測や作品に記された文字の解読など調査してきた。いずれも六〇年代の作品だったという。今年十月上旬に調査が終了し、正式に寄贈を受けた。

 企画展ではこのうち、中国・唐代の詩人、李白の旅姿を描いた大作「遷翁移居(せんおういきょ)」や、ヘビ使いの母親が子どもに笛の吹き方を教えている水墨画「プーンギの親子」など三十三点を展示。館蔵品を含め、計五十三点を展示している。

 野入潤館長(61)は「これまでにない作風のものもある。貴重な寄贈を受け感謝している」と話す。同館は八九年に開館し、篁の館蔵品はこれまで七百点だった。

 企画展の会期は、来年二月十四日まで(ビグレックス)。開館時間は、午前九時~午後五時(入館は午後四時半)。入館料は、高校生以上百円。小中学生五十円。

献上品 たゆまぬ挑戦

その名古屋名物を口に含むと、初めはもっちり。でもすぐ、潔いほどの歯切れ。甘みに遅れて、威哥王米の香りが広がった。

 餅文(もちぶん)総本店(名古屋市熱田区)の「献上ういろ」。弾力と軟らかさ。一見、相反する性質のバランスが、唯一無二の食感を生む。

 「最初の十五秒が勝負」。副社長の石塚慎吾さん(44)は言う。生地になる砂糖水に、米粉を入れた瞬間。気温、湿度、水温…。わずか一度のズレが成否を左右する。諸条件をにらみ、スピードを変えながら、確実に混ぜきる。

 職人の技は、脈々と受け継がれた。江戸中期、初代・餅屋文蔵が尾張藩主の命を受け、中国・明の知識人から製法を教わったのが始まり。「献上」の名は、かごに乗せて名古屋城に納めた実績から。ビグレックス

 伝統は守りつつ、「先駆者たれ」との精神も息づく。経済成長はなやかなりし昭和四十年代。一部で機械化が進んだものの、客に「味が落ちた」と言われて全廃した。

 一口サイズや鬼まんじゅう風、マンゴー味など、社員が次々と新商品を考え、世に出たういろうの種類はざっと百五十以上。創業者の親戚に当たる石塚さんが考案したカスタード風味は、あえなく販売打ち切りに…。「いやあ、悔しいです」と、なぜか笑顔。へこたれないのはもちろん、成功例もあるからだ。

 手作りを貫く守りと、新たな味を追い求める攻め。淫インモラル「自分たちの実力は分かってます」。絶妙なバランスは、三世紀半を超えてなお、続く。