策士、暗躍する

1/9の土曜日、
息子のハルと春日の実家を訪ねた。
僕の妹が来ていたからである。
妹は正月に家族と帰省していて、
旦那と子供だけが先に東京に戻り、
妹だけが実家に残っていたのだ。
妹の息子とうちのハルは同い年で、
この息子がちょっと登校拒否気味になっていて、
どうしたものかなと家族みんなで気を使っていた。
僕はあらかじめハルに、
仕込んでいたサルの置き物を手渡して、
入念に打ち合わせしていた。
このサルの置き物は、
僕が夢タウンで合鍵ができるのを待っている時、
雑貨屋で見つけたものだった。
うちの奥さんのチャッピーはリスが好きで、
リスのものを買い与えておけば機嫌がいいので、
リスグッズがありそうな雑貨屋を見つけたら、
物色するのが習性になっているのだ。
その店でやたらサルのものが目につくなと思っていたら、
今年が申年であるということを思い出した。
そしてそういえば、僕の母親と妹は、
二人とも申年だったということも思い出した。
うちの奥さんは、ほんのつまらない、
数百円のものを買い与えただけで大喜びするので、
母と妹もそうだろうかと思い、
目についたサルの置き物を買ってみた。
しかし買ったはいいものの、自分の母親と妹に、
脈絡もなくプレゼントなんていかがなものかと自省し、
どうしたものかと悩んでいたところ、
そうか、ハルがいるじゃないかと閃いたのである。
そこでハルと打ち合わせし、
いかにもハルが自発的に買ったというテイで、
二人にその置き物をプレゼントさせた。
結果は大成功、二人とも大喜びであった。
ハルにはもうひとつ仕込んでいたことがあった。
ブックオフの初売りに行った時、
一條裕子というマンガ家が、
内田百閒の「安房列車」をマンガ化した単行本を買っていたので、
それをハルに貸して、文学好きのおじいちゃんに、
プレゼンするように指示していたのだ。
結果、おじいちゃん大喜び。
酔って呂律が回らなくなっている舌で、
一生懸命「安房列車」のあらすじを語っていた。
父が内田百閒を好きということは、
以前から知っていたので、父が喜ぶかと思い、
ハルに仕込んでおいたのだが、
ここまで喜ぶとは思わなかった。
息子の僕と語っても、
そこそこ嬉しかっただろうと思うが、
孫のハルの口から内田百閒という言葉が出れば、
喜びはひとしおであろうと慮ってのことであった。
家族と付き合うにも色々と気を使う。
長男はつらいよ。