誰もいない台所。

初めてそのフレーズを聴いた時
鳥肌が立った。
気持ち悪いとかそういうんじゃないやつね。
メロディーと歌詞と彼の声で
頭の中にくっきりとその光景が浮かんだの。

「なにこれ……凄い」

なんてマヌケな感想をポツリ。
何度も何度も
巻き戻してその部分ばかり聴くもんだから
曲を聴き終わるまでに随分と時間がかかった。

まったく同じって
そんな経験はないけど
似たような経験なら
きっと誰もがあるんじゃないかな。
別れにも色々あるけど
どこか消化しきれてないっていうか
納得出来てないっていうか
そんな気持ちを抱えたままの別れ
経験あるでしょう?

もどかしくてもどかしくて
どうにかしたいんだけど
変に意地をはったりなんかして
気持ちとは反対の言葉を呟いて手を振る。
遠くなる背中に向かって

 振り向け、振り向け、振り向け

そう心の中で繰り返すんだけど
それは叶わなくて。
後悔ばかりが胸に残るような
そんな別れを思い出した。
   手を振って遠ざかってく
   窓越しの君の口が模った
   「またね……またね、またね」
   記憶で響いて離れない

重ねてしまった。
勝手に。
全然違うのにね。
変なの。
    あの日に戻れない。
    あの日に戻りたい。
幾ら願ったって
時間を巻き戻す事は出来ない。
でも、もしもそれが可能だとしても
やっぱやり直す事って出来ない気がするよ。
ていうか、そうであって欲しい。

だって後悔のない人生とか
何度でもやり直しが出来る人生じゃ
何の為に頑張るのか分からなくなりそうじゃない?
ゲームみたく簡単にリセット出来ちゃったら
つまんないよね、きっと。

とはいえ黒歴史的なやつは
タイムスリップして全部消したいとは思うけど。
まあそれはそれだ。
一つ目の後悔と
二つ目の後悔。

三つ目の後悔と
四つ目の後悔。

一つ目よりも二つ目の自分に
三つ目よりも四つ目の自分に
どこか成長を感じる事が出来てるなら
それでいい気がする。
沢山沢山後悔して
いつか全部の後悔を笑い飛ばせるような
そんな人になりたいな。
蟻力神
VigRx