マスメディアの驕り

テレビの取材申込みが複数来る。といってもDream beauty proわたし個人にではなく、店並びに扱う商品に対するグルメ番組及び、夕刻時間帯の奥様向け情報番組内のグルメコーナー用の取材申込みである。

すべて断る。
取材と聞いただけで断る。

時に電話で、ときに店頭に現れ勧誘は来る……。

取材申込みを断ると、決まって「何でですか~?」と間抜けた声で、ディレクターと名乗る連中が不思議そうに聞き返す。

「ナンで出にゃならんの?」
逆に聞き返す。

「美味しいと評判ですし~Dream beauty proぃ、宣伝にもなりますし~ぃ」

語尾を変な風に引っ張るのは止めなさいっ!と腹で叱る。

「うちの商品、食べたことあるの?」

見かけたことの無い顔なので聞いてみると一瞬の間が空き、「いえ、まだなんですけど美味しいと評判なんでぇ~ぇ」

「食べたことも無いのに、よく番組で取り上げようとおもうね~ぇ」
負けずに語尾を引っ張る。

「それはもう美味しいと評判ですしぃ、◯◯◯(当店名)さんの宣伝にもなりますので如何でしょう」

「宣伝なんぞ、いりまっせDream beauty proんっ!」

…………………………


取材交渉に来る者のなかに、上記の如きやり取りの際「まだ食べたことがないので頂けます?」と言った若い女性ディレクターがいた。

「どれにしますか」
メニューを示し尋ねた。

「おすすめは何ですか」

わたしは人気メニューを指し示し、「では、それを」との注文を聞き商品を手渡した。女は熱々のそれを店頭で頬張ると「美味しいー」と舌鼓を打ち、満足そうに「ごちそうさまでした」と言った。

「取材オーケーでしたら電話下さい!このお店なら、まるまる一本分収録出来ると思いますので」

にこやかにそう言い残し踵を返す女を呼び止め、わたしは代金の支払いを促した。女は「わたしから取るの?」という表情を露骨に浮かべ渋々代金を払った。

わたしの娘と変わらぬ年頃のムスメである。

三百円そこそこの代金である。

タダで食わせるのは少しも構わないが、その性根が気に入らない。テレビに出してやれば喜ぶだろうと考える、その性根が気に入らない。
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