ヤキニク for サガミハラ

十数年前のコロンバイン高校乱射事件の犯人たちは事件前にボーリングに興じていたことは有名で映画のタイトルにもなったが、ボーリングが事件の原因だったわけではない。今回の焼き肉も、事件の原因ではない。容疑者がたしなんでいた大麻も刺青もヒトラーもまた然りである。大麻は人を狂暴にするものではない。

ヒトラー思想が降りてきたという発言は、8月5日の産経新聞の記事によると「園の人に指摘されたので措置入院の時に言ってみた」のだそうで、つまりは狂気を装うための猿芝居すぎない。ナチスに興味を持ったことはなく、T4に関する書物どころか恐らくはコンビニで売っているオカルトがらみのナチスものすら読んだことはあるまい。
それでは、犯人の動機は何なのか?これについても同記事は、それ以前の朝日新聞のISISに関する論説文を引用して興味深い仮説をたてている。朝日によれば欧州や米国でテロを起こしたISのシンパは事件前まで酒を飲み豚肉を食べモスクに通うこともないという、およそ敬虔なイスラム教徒とは真逆の生活を送っていたものが大半だという。特に米国でハッテンバを襲撃した犯人はそこの常連で本人は同性愛者と見られていたという。彼らは不満をつのさせてはいたが、イスラム教徒とは言いがたかった。つまりは「イスラム教徒がテロを起こした」のではなく「テロリストのイスラム化」なのだと論説文は述べる。ISが、西側の堕落した文明にテロを加えて自らも死ぬことでそれまでの自分自身の堕落した生活も購われるといった「働きかけ」はあるにしても、イスラム教はいわば方便に過ぎない。分かりやすく言えば、旭日を掲げて走る暴走族が右翼でも愛国者でも無いのと同様だ。
催情薬
産経新聞の記事は植松容疑者も同様に不満を募らせた存在であり、今回の事件は欧米テロと同時代的なものであると解く。

興味深い記事ではあるしなるほど、と思う点もある。しかし、植松容疑者には、ISのテロリストほどの覚悟も大義名分も無い。まあ、焼き肉を食べる金で「我が闘争」を買って勉強したとしても、矮小さは変わらなかったろうが。
花痴