捨て猫になった僕

もう6、7年前になるだろうか
ママさんが野良猫を拾ってきた。
その頃、我が家は6畳2間のオンボロアパート
それから僕ら夫婦と娘と猫三匹のギュウギュウの生活が始まった。

もう、その頃の僕らは冷め切っていたから、いつ離婚しても不思議じゃない状態で、
それでも、この三匹の新しい家族のおかげで、僕ら家族は新しい形で結束はした

家を買った。
広い家で、チャッピも、クーも、ミューものびのびとしていた。
完全家猫なのだが、僕の不注意で、クーとミューが脱走した事があった。
それはそれは家族みんなで血眼で探した
チラシをご近所に配りまくった。
クーの時も、チャッピの時も、ママさんが見つけだして保護した
結果、これも家族の結束は固まった


それでも、僕らはこの2月に離婚した。
元来自由人の僕は家猫のように落ち着いていられなかった

僕は、家を追い出されて捨て猫となった。

それでも、捨て猫の僕を拾ってくれる女性もあり、新しい生活が始まる。

離婚したと言っても、ママさんを嫌いになったわけでもない。
仲良し離婚だから、たまに家に遊びにいく。

三匹は僕を囲んで匂いをかぐ。

僕はそれぞれの背中をなでながら、
「家猫も良いけど、外の世界は楽しいぞ」
と話しかける。

猫にとって家猫が幸せなのか、野良猫が幸せなのかは分からない。
でも、夫婦でいても友達に戻っても、それなりの距離感で、そこにいてくれる人があるというのはありがたい。


もし、生まれ変われるのなら、猫になろう
野良猫でも家猫でも良い。
猫になろう