げ父親方様を想してア

そう、父にアンジェが問うと
「私共にも決して言おうとは致しません。」
「あの日と云うのは何時の事なのですか?」
探るようにアンジェは父親と兄を見るが首は横に振られるばかり

「…ソヒョン殿、貴女の思い人は某の知った者ではあるまいか?」
ソヒョンの目は少しだけ床を見る
「アンジェ様は禁軍隊長でいらっしゃいます。皇宮にいらっしゃる方はきっと見知っておられる筈でございます。」
アンジェの予想はドンドン核心向かって行きますが、ソヒョンは決して個人の名は挙げません

「貴女は某が力づくで貴女をモノにするとは思われませんか?」
言いたくは無い。だが、手放したくは無いそんな気持ちでそう問うた

「貴方様がその様な殿方であったならば貴方様のモノになるその目の前でこの舌を噛み切りこの世から離れるつもりで御座います。」

好いた女子(おなご)の口から此処まで言わせてそれでも力づくでモノに出来るような男では無いアンジェ
もともと、心根優しい男であるが故に彼は身を引くしかなかった

只一言、彼女の口から彼に送られた言葉が有った

「アンジェ様、貴方様は本当にお優しい殿方でいらっしゃいます。私の様に気が強く頑固な娘などでは無く、心から貴うそんな娘と婚姻を御結びくださいませ。私は貴方様の事は本当に嫌では御座いません。ですが…それでも私は決めてしまっていたのです、六年も前に…」
そう言うと深々と頭を下ンジェを残し部屋を出て行った


暫くそのままだったがポツリと父親が話し始める
「あの娘は相手の方を決して口にはしませぬが、私とて父故目星は付いております。ただ私共としましても、諸手を挙げて喜んでやれぬ理由も有るのです」
父は盃に自酌して一気に酒を流し込む

「それは…やはり某の知っておるあの者なのか?」

アンジェがそれまで言うと父親はその言葉の先を言わせぬように手を挙げる
「…どうか、それより先はこの屋敷の中では言わずにいて戴きたい。人となりは存じております。が、どうしても…この私にはどうしても…まだ整理仕切れないモノがこの心の中に残っておるのです」

流石に此処まで聞けばアンジェにも相手が誰で何が二人を遮っているのかさえ全て見えてまいりました

「父君、それでよろしいのか?娘が嫁にも行かず兄の手伝いをして一生生きて行くと…」
アンジェは聞いてはいけない所まで踏み込んでしまった

父親が娘の幸せを願わない訳は無いのだ。
しかし、認める訳にもいかないと言うこの思いは止められなかった

「致し方御座いませぬ。我らの育て方が間違うたのだ。アンジェ殿これ以上はどうかもうお帰り戴きたい。そして、もう此方の事はお忘れ願おう。こちらも今宵の事は綺麗さっぱり忘れる故」

武官より文官の位が上のこの時代、アンジェは父親にこれ以上屋敷に留まる事を許されない以上この屋敷を足早に後にするしかなかったのだ



今日は珍しく私は典医寺、この人は久しぶりのお休み。

昨日は物凄く遅くに帰って来たので、何時寝床に入ってきたのか知らない位。

恐らく朝方何だろうとは思う

朝、目が覚めたらこの人に抱き締められながら寝てたから

凄く眠たかったのね、私が腕の中から居なくなっても気づいてないみたい

それもまた、珍しい事。

さて、私は支度も出来たから、そろそろ朝餉を食べに行こうかな。


そぉ~っと、そぉ~っと。


戸を開けて出ようとしたら

「今日は貴女もお休みですよ?言い忘れましたけど。」


そう言って、この人は私を後ろから抱き締めた。

「えどう言うこと私聞いてない!」


「だから、言い忘れましたと言いましたよ」
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