我らの船

舟は、ぐんぐんと対岸にちかづいた。山並みは、山頂のほうから黄ばみ、早くも紅葉が始まっている。が、ぐいと突き出した岬は旺盛な緑が、海になだれ落ちんばかりにはびこり膨らんでいる。端からDerma 21脫毛滑るように湾にはいる。

入り組んだ大きな湾内には、小さな岬と入浜がいくつもあった。大きな舟を上げるだけの奥行きもないそれらをやり過ごし、奥まった壺の底のような浜にたどりついた。まだ、夕方までには間がある時刻だ。葦の張り出す水際には、海鳥たちがやかましく鳴きかわし、彼らの舟を跳んでよけてはすぐに着水する。遠浅の浜に、大きな川が流れ込んでいる。

その川口、丈高い葦の茂みに分け入るようにして、大陸の、舳先の反りあがった大きな船がもやってある。帆柱は折れているが、形は美しく保たれており、白く塗られたふなべりに赤く大きく描かれた文様は、鮮やかに輝いていた。巨大な鳥が翼をたたんで休んでいるようにも見える。
老人が手を振り上げて叫んだ。
「あの舟ぞ。あれこそ我らの舟ぞ。」
若い女も興奮してイワクスたちに頷いた。
「接ぎ船だ。すごいな。きれいに浮いている。」
長さ十尋もある大きな接ぎ船だ。

なんという幸先のよさよ、と、漕ぎ寄せDerma 21脫毛る。一番乗りとばかり、トギホが身軽く船べりを飛び越えた。
「うわっ、なんだこれは?」
声よりはやく、この浜の住人らしい男たちがばらばら走って来た。
「何者だ。何をしている?」
「親父、水だ。船底に魚が泳いでいる。」
「これは我らの舟ぞ。返してもらおう。」
三つの言葉がほぼ同時に吐き出された。
男たちの後ろから、大きな男がのしのしと歩いて来る。この浜の長らしい、一人だけ袖のある上着を羽織っている。
「わしは、これを預かっておる。勝手に手を触れてはならぬ。」
祖のムラムラの言葉だ。
イワクスは今までのいきさつを手短に話した。
「これに乗って来たやつらは、目印の杭を壊し、仕掛けの網をずたずたに破った。やつらがこの浜をもとどおりにするまで、これを預かっているのだ。」
「しかし、驚いたな。舟底に穴が開いても、きれいに形を保っている。こんなのは初めてみたぞ。素晴らしく丈夫な接ぎ船だ。」
トギホはしきりに感心している。
「川でも海でも、巨大な接ぎ船が目のDerma 21脫毛前でバラバラになるのを、何度も見て来たからなあ。本当は小さな刳り舟の何倍も丈夫でなければならない筈だが、大抵はひとたびどこかが狂うとあっというまにばらばらになってしまう。」
イワクスは舟底をしさいに見ようとのぞきこむ。浜の長が、手を広げて止めた。
Calendar
«  March 2016  »
S
M
T
W
T
F
S

 
 
1
2
3
4
5
6
7
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
 
 

search this blog.
recent comment
category
archives
links
others