「悲しい日」「責任逃れ」「ひよった」―元選手がIOCの対応を厳しく批判

ロシアのリオデジャネイロ五輪出場を条件付きで認めた国際オリンピック委員会(IOC)の決断に対し、英国の元選手らが続々と非難の声を上げている。女子マラソンの世界記録保持者ポーラ・ラドクリフ(Paula Radcliffe)さんが「クリーンなスポーツにとって悲しい日」と話せば、自転車競技の金メダリスト、クリス・ホイ(Chris Hoy)氏は「責任逃れ」と糾弾した。

夏季五輪で活躍したアスリートのビフォーアフター

 IOCの理事会はこの日の会合で、ロシア選手の出場可否の判断は基本的に各スポーツの統括団体に任せるという決定を下した。しかし、リオ五輪の開幕まではすでに2週間を切っている。

三体牛鞭,三體牛鞭(勃動力)

 今回の決定について、五輪に通算4度出場している現在42歳となるラドクリフさんは、「クリーンなスポーツにとって悲しい日です」という言葉から始まる声明文を自身のツイッター(Twitter)に掲載した。

「今回の決断で明らかになったのは、クリーンな選手の保護や自らを省みる姿勢、競技場の公平性を確保する努力は、IOCにとって最優先事項ではないということです」

「これでロシアは政治的な命綱を手に入れましたし、出場には必ず保証や約束が伴っていなければなりません。しかし、これだけ時間に余裕がないなかで各スポーツ連盟に判断を委ねたのは不公平です。特に小さな連盟には、条件を確認するだけのリソースはないでしょう」

五便宝

 これまでも薬物違反を声高に批判してきたラドクリフ氏は、「薬物違反による出場停止を受けた過去がある選手に対し、五輪には出場させないという判断には拍手を送りますが、それをロシア選手だけに当てはめるのはフェアではありません」とコメントし、過去に違反を犯した他国の選手の出場が認められる矛盾に疑問を呈している。

「クリーンなスポーツを支持する本当に力強いメッセージは、違反が見つかった選手の出場を全面的に禁止することです。IOCは打ち出すことができたはずの明確なメッセージ、すなわち五輪の全競技において、ドーピングや違反は絶対に許さないというメッセージを打ち出していません」

 五輪で6つの金メダルを獲得しているホイ氏は、五輪やスポーツ全般に対する責任を投げ出したかのようなIOCの態度を批判し、ツイッターに「いったいこれはなんのメッセージだ?IOCの仕事は重大な決断を下すことであり、間違っても責任逃れをすることではないはずだ」と投稿した。

 ボート競技で2つの金メダルを獲得しているジェームズ・クラックネル(James Cracknell)氏も、同じようにツイッターで、IOCが「ひよった」とこきおろしている。クラックネル氏は「ロシアの選手をリオ五輪に出すか出さないかの判断を、IOCは各スポーツ団体に丸投げした。ひどい日だ」と書き込んでいる。

King Wolf狼王戦宝

 走り幅跳びのロンドン五輪金メダリスト、グレッグ・ラザフォード(Greg Rutherford)は、ガーディアン(Guardian)紙に対し、IOCが全面禁止を選択しなかったことへの嫌悪感をあらわにした。

「腕をひねられるような、恐ろしい感覚を抱いた。全面出場禁止に賛否両論があるのは理解しているし、『連帯責任』の危険性も承知しているが、同時に僕たちは国の一番上の方から下りてきたドーピング文化を罰さない危険性も知っている。僕としては、後者の方がスポーツにとってはるかに大きな脅威だと主張したい」