それは動物福祉的にどうなんだろう?

獣医師免許を持っている立場としては、高齢者のペット事情は、いろいろ気になっています。
黒倍王
高齢者に一番多い事例は、犬馬鹿、猫馬鹿になってしまって、まともな飼育管理が出来なくなってしまう人。
孤独感から、ペットを擬人化して、入れ込んでしまう。人にとっては良いこと、嬉しいことであっても、動物にとっては、人の事例がそのまま当てはまることはありません。動物は動物の特性があり、それを理解し、特性に合わせた管理やケアをしてやるべきです。
結果として、かわいがっているつもりが、動物にとっては「ありがた迷惑」になっている場合も。
大型犬などは、飼い主をナメてかかるような子に育って、人を襲ってしまう場合も。
そうなると地域社会の問題に発展してしまいます。

高齢になると体力も衰え、気配りもなかなかできなくなってきます。それが「老い」の現実なのですが、それを自覚するのは酷なことです。その結果として、体力的に無理なほど大きな犬を飼ったり、ペットの世話をしきれなくなったり、いろいろと弊害も出てきます。気持ちに余裕をもって、自分が確実にケアできるペットを選ぶのも大切なことです。
五便宝
さまざまな理由でペットを飼いきれない高齢者が、野良猫に餌をやって回る事例は、非常に多くなっています。餌をやってかわいがりたいのなら、きちんと飼って、かれらの身の回りの衛生管理も含め、きちんとケアしてやるのが理想なのですが、野良猫に餌をやる高齢者の言い分は、「自分は飼えない」「かわいそうな猫たちに餌をあげている(=自分はいいことをしている)」と主張することが多いのですが、それは残念ながら、どちらも言い訳にすらなっていません。「かわいそうな猫」に餌を与えて繁殖させ、「かわいそうな猫」をどんどん増やして、近隣の迷惑が拡大している可能性も、十分に考えられます。野良猫への餌やりは、餌をやって楽しみたい高齢者のエゴであるという面が、必ずあります。

正直、野良猫に餌をやるような高齢者は、自分の責任で飼育することができない動物に手を出しているわけですから、これが動物福祉的に残酷な人であることを、指摘しておかなければなりません。