紙屋町さくらホテル

森光子、大滝秀治、三田和代、辻萬長…。19年前の初演の顔ぶれと比べると、小粒な印象は否めない。キャスト全員が戦後世代と大幅に若返り、戦争の影は演技から感じられない。喜劇的な部分が強調して見えたのも、その裏返しだろう。淫インモラル


それでも、観るべき箇所は少なからずあった。伊勢佳代と松岡依都美。若手から中堅に差し掛かりつつある女優二人の熱演に強い感銘を受けた。

劇団イキウメの看板女優だった伊勢は、さらなる成長を誓って6月末に退団。劇団としては大打撃であるが、1年間の話し合いの末に伊勢の強い決意を受け入れた形だ。

こまつ座公演への参加は、昨年の「マンザナわが町」に続き2回目。実力が認められてのオファーである。「マンザナ」では、出自の異なる実力派女優の中で埋もれることなく、存在感を大いに放っていた。

本作では、主演の七瀬なつみ演じる淳子とともに「さくらホテル」を切り盛りしながら、芝居にも参加する未亡人正子をパワフルに演じた。
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伊勢の魅力は、何よりもハキハキとした語り口。言葉に力がある。「マンザナ」とも近い役どころであり、思い切って演じられた。悲哀の演技には課題が残るが、きっと近い将来に乗り越えるはずだ。

文学座の松岡は、演技の引き出しの多さに驚かされる。宝塚出身のスター園井恵子役は、初演で演じた三田の当たり役。新たな色で見事に塗り替えた。

見せ場は芝居の稽古場面。「新劇の団十郎」丸山定夫(高橋和也)が留守中、園井が代わりに劇団員を指導する。その際、宝塚の演技パターンを変に誇張して実演するため、爆笑を生む。松岡の演技が妙に上手くて、何とも可笑しい。体を張った芝居は、この女優の魅力を最大限に引き出す。

井上ひさしの代表作の一つ「紙屋町さくらホテル」で二人が出会うのは、偶然と思えない。大胆な伊勢、繊細な松岡。いささかタイプは異なるように見える2人は、舞台上で溶け合っていた。こまつ座の舞台で再会する日は遠くないかもしれない。
街頭覇王睾丸素カプセル
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