マグナムの暴発

数字にして振り返ることが恐ろしい、もう30年近く前。44マグナムの飛ばないエアガンを携えて、線路沿いを旅して、あてどもなく人生を変えてくれるような財宝の在りかを目指していた私の小学校時代。ダーティハリーシリーズとグーニーズは、マストなハリウッド映画だった。そんな時期、テレビで放送される!として鼻息あらく待機した、ダーティハリー3とグーニーズの放送。しかし不思議なことにどちらの放送時にも放送事故がおきた。TBSで放送されたグーニーズはなぜか、すでにメンバーが、あのロバート・ダビらの悪党一家のアジトにたどりつく途中の場面からはじまり、その後、慌てたかのように、骸骨のマークとタイトルが現れた。「何がおこったんだ?」そのまま見続けたが、全くのアナウンスなしの様子から、本当にあのような映画だったのだろうか?と自分を疑いだした。
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その後日に放送されたフジのゴールデン洋画劇場でのダーティハリー3では、オープニング、悪党一味がロケットランチャーで車両を襲撃する直前に、映像が止まって「しばらくお待ちください」との静止画が延々と流された。いてもたってもいられない。「まさか、うちのテレビだけじゃないだろ?」私は両親の許可をえて友人宅にTELすると、みな同じだという…(あたりまえか…)。

いつでもどこでも映画が見られる現代。しかし30年前は、地方の子供たちにとって、ハリウッド映画に、地上波放送で触れられる時間こそ、大人と世界に触れられる一瞬の旅、真剣勝負の異界への密航だった。
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真剣に思った。「たぶん、茨城の小学生たちが、あまりに期待しすぎて、イーストウッドのマグナムが暴発してしまったんだ…」

最近知ったことだが、イーストウッドは、44マグナムだけでなく、下半身のマグナムもいたるところで暴発?させていたという。放送事故に一喜一憂してハリウッドに夢をみていた小学生は、下半身のマグナムの暴発が気になるオッサンになり、暴発が決して許されない社会に生きる。