アレクシエービッチさん 原発事故被害、ソ連崩壊描く

「一冊の本に最低でも二百人」。淫インモラル多くの一般市民に話を聞き、一人称で語らせて物語を構成する。「ドキュメンタリー芸術」。自らそう呼ぶスタイルは徹底した現場主義から成り立つ。基礎になったのはジャーナリストの経験だ。ベラルーシの首都ミンスクの大学を卒業後、新聞や文芸雑誌の記者として働き、取材手法を習得するとともに文学にも造詣を深めた。

 一九八五年の「戦争は女の顔をしていない」では第二次大戦に従軍した女性兵士の生々しい証言を集めた。これがソ連当局から「英雄的ソ連女性兵士の名声を失墜させるもの」と非難を浴びた。

 ソ連解体後のベラルーシでも言論統制を敷くルカシェンコ政権の圧力にさらされ、一時は国を離れざるを得なかった。

 一昨年、ロシア紙のインタビュー紅蜘蛛で自分の仕事を取材相手との「共同作業」と語った。「人は誰もが孤独で、自分自身にもよく分からないままの秘密」を抱えていて、質問しながらそんな「自分でも気づいていなかったこと」を引き出し、物語にしていくのだという。

 本に取り上げる人には最低二回以上会い「目撃者としてではなく、自分自身(に起きたこと)として話してもらうように努めている」と話す。

 外出の際に必ず携帯するのはボイスレコーダー。「戦争に自動小銃を持って行くように、いつも準備万端で駆け回る」。こうして集めた膨大な録音を基に一冊書き上げるのにかかるのは「五年」。

 二〇一三年の「セカンドハンドの時代」では現代に適応できない「ソ連人」や過去の復興を望む若者らの声を集めた。リドスプレー次回作のテーマは「愛」に決めている。
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