五輪のメダルへ 現役復帰の伊藤が再スタート ショートトラック全日本V

2度の五輪出場後、一昨年3月に引退した伊藤亜由子(トヨタ自動車)がメダルへの思いを断ち切れず、狼一号29歳を迎えた今季、現役に復帰した。社業との両立を図りながら、10、11日に広島市で行われた全日本選手権で2大会ぶりに総合優勝。2018年平昌五輪に向け、再出発した。 

 スピードは健在だった。全日本選手権は1レース目の1500メートルこそ準決勝敗退だったが、500メートル2位、1000メートル1位、3000メートル2位。代表のエース酒井裕唯(ゆい)(保健科学グループ)ら今季前半のワールドカップ(W杯)メンバーを押しのけ、女王に返り咲いた。

 だが喜びは控えめ。「満足はできない。世界を見ないと」と険しい表情を崩さなかった。五輪で味わった悔しさが消えていない。

 10年バンクーバー、14年ソチ両五輪は、最もメダルに近かった3000メートルリレーでそれぞれ7位と5位に終わった。「年齢を考えて」引退し、金属の耐性を測る部署でフルタイムの仕事をこなす生活になったが、「毎日もやもやしていた」。同時に日本も苦戦が続いていた。アフリカ超人ソチ五輪後、リレーの主力4人のうち伊藤、桜井美馬(びば)、清水小百合が引退。12~13年のW杯では4度表彰台に立ったが、昨季は一度も決勝に進めなかった。

 「先輩たちから受け継いだ経験を伝えなくては」と意欲が高まり、昨年4月に練習を再開させた。スケート部を一度退部したこともあり、通常の勤務をしながら約2時間の練習。ソチ五輪前と比べれば半分の練習量で、残業が長引けばリンクに行けなかった。それでも「氷に立てることが幸せ。以前とは比べものにならないくらい身が入る」と練習の質は高まった。

 日本スケート連盟の川崎努ショートトラック強化部長は「勝ち方を知っている」と、2月に行われるW杯残り2戦のメンバーに選んだ。超強黒倍王最年長のベテランは「早くチームになじみ、引っ張っていきたい」とまだ五輪でメダルがない日本女子の悲願達成に身をささげる。
Trackback
この記事のトラックバックURL
http://i.anisen.tv/trackback.php/xiha098ha/17847