意識してホスピ

スパゲッティを自分でよそうと、高梨は猛烈な勢いで食べ始めた。ときおりワインで水気を補給しながら、強引に口の中に押し込む。
 早苗は、その様子を戸惑いながら唖然《あぜん》と眺めていた。終始上機嫌なところを見ると、ストレスから過食気味になっているわけでもなさそうだが。
 帰国してから二週間もたたないというのに、高梨の体型は早くも服の上からでもわかるくらい崩れ始めている。こけ潔膚乳て見えるくらい引き締まっていた頬も、心なしか、ぽっちゃりしてきたようだ。
「せっかく、理想的なダイエットができてたのに……」
「え? なんか言った?」
「なんでもないわ。料理がお気に召したのは嬉《うれ》しいけど、もう少し、会話を楽しまない?」
「うん。そうだね。じゃあ、さっきは僕がアマゾンの話をしたから、今度は君の話を聞きたいね」
「私の話?」
「そう。最近の、病院での出来事とか」
 早苗は、驚いた。これまで、高梨は、スの話題悉尼旅行團は避けていたからだ。
「……あんまり、面白いことはないわ」
「別に、面白くなくてもいいんだよ。君は特に、終末期医療という仕事に携わっているんだし。仕事の上で、辛《つら》いこととか、たいへんなことがあるんじゃない?」
 高梨は、またボウルからスパゲッティをたっぷりと皿に移した。ひどい胃拡張になっているのではないかと、早苗は心配になった。
「それはまあ、ね。でも、けっこう深香港BBA刻な話ばっかりだから」
「いいよ。聞きたいね」