恋活

田舎のねずみは 目の前の地下鉄路線図を眺めていた。

いや、凝視していた。

待ち合わせの 駅まで 赤のラインで2つ目で乗り換え・・・グレーのラインで いち・にい・さん・・・

住んでる町の駅には 改札口はいっこだし、線路もいっぽん。

さすが、都会だな 今更ながら そう思った。

急がないと…

4本の地下鉄が交差する その地下は まるでモグラの迷路のようだった。

ようやく 赤の電車に乗り込み、また地下を彷徨い グレーの電車に揺れた。

目的の地下駅に着く。

太陽が恋しかった。

地上に出てみる。

そこには、また 大きな地上の駅があった。

地下の駅は東口、出たところの大きな駅も東口
ふつう そうだろっ・・・でも、西口だった!

それが、迷子の発端。

『東口で待ってるね』

『どこにいるの?』

東口にいるのに 彼女の姿はみつからない・・・

焦りが・・・不安が・・・泣きそうになるの必死にこらえていた

そう、彼女は東口にねずみは 東口と思い込んでる西口にいた

『どこ?』
『何口?』

彼女からのメールに 地下鉄の駅に行ったり 地上駅に戻ったり行ったり来たり・・・

改札口を改めてみた ねずみの目には 西口と読めた‥

『ごめんね 東口だと思ってたら 西口だった・・・』

そんな どうしようもない ネズミに彼女は

『今から行くから もぅ そこから動いちゃだめだぞぉ』

不安でいっぱいだった ねずみには 彼女の声は神の声そのものだった。

やがて 現れた彼女は 天使のような 爽やかな笑顔で 微笑んでいた。

≪女神が舞い降りた≫

もちろん 今までにねずみは女神を見たことはなかったが・・・

そう、思った。

のどが渇いて 起きだしたねずみは さっきの夢は 夢だったのかどうかさえ わからない。

そうだ、女神を探しに行こう。

ねずみは、再び 路線図に目をやった。

こうして、ねずみの恋活は 始まった。
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